楽しむまち”こもろ”㊤ 「egg」に乗って、まちなか遊園地の気分!
テーマ:小諸市ニュース




小諸のまちなかを、まるで遊園地のアトラクションのような気分で走る「スマートカートegg」。
「自分たちが楽しむ」を、モットーに古民家改装や移住者らの出店をサポートする「おしゃれ田舎プロジェクト」。
自ら企画して「楽しいことをやりたい」市民らの主体的な活動を掘り起こす「まちタネ広場」―。
小諸は今、「何か楽しそう」と集まる人々がつながり、人と店と広場の新たな循環が生まれている。その試みを3回にわたって紹介する。


東南アジアの3輪タクシー「トゥクトゥク」のように観光客や住民を乗せて、北国街道小諸宿の町並みや駅前ロータリー、商店街、コンパクトシティの新たな施設やレトロなスナックの細い路地を3輪電動カート「egg」が走った。
どこでも停まったり、乗ることができる楽しい乗り物だ。
新交通で新しいまち巡りのカタチ

「住民や来訪者に小諸のまちをゆっくり、気ままに巡って、お気に入りの〃ヒト・コト・モノ〃を見つけてもらおう」と、新交通による新しいまち巡りのカタチをつくる社会実験型サービス「縁JOY!小諸」が昨年4月にスタート。
第一期を6月まで実施。
毎週土曜日に小諸駅から「egg」やEVバス「こもこむ号」を運行。
約1800人が利用した。
ドアのない開放的な車内からは臨場感ある景色が流れ、手を伸ばせば届きそうな建物と建物の間を縫うようにゆっくり走るegg。
通りからは地元の人が手を振り、まるで遊園地に遊びに来た気分で「何回も乗ったよ」と声を弾ませる地元の小学生たちの姿も。

好評で、8月から11月まで実施した第2期では、eggの運行コースを与良、鶴巻地区まで拡大。
情緒漂う町並みの古民家を生かして新たにオープンした店なども巡った。
また、EVバスは運行コースを変更し「ワインとりんごの里巡り便」として、老舗ワイナリーや新たなワイナリー、りんご園や美術館、ワイン畑の広がる眺望を巡回。
布引観音や氷風穴巡りのデマンドタクシーを追加するなどサービスを拡大し、約1500人が利用した。
試乗運転体験も

先月には「eggの楽しさを肌で感じてもらえれば」と、実際にeggを運転できる試乗会も企画。
小諸市都市計画課の清水勇哉さん(25)は「eggのドライバーは現在12、3人いるが、倍くらいに増やしたい」といい、来年度に向けて運転サポーターの養成にもつなげていきたい考え。
試乗会で行ったアンケートでは、eggの運行は好評。
運行を日曜や祝日、夜間等にも拡大してほしいなどの声もあった。
eggドライバーの山岸邦彦さん(66)は、一昨年6月に小諸市へ移住。浅間山や八ヶ岳の眺望に惚れて、山林に家を建て、鳥のさえずりや沢の音、自然に囲まれ静かに暮らしているという。
「にぎやかなところはもういいと思っていたが、人の紹介でeggのドライバーをやることになった」と山岸さん。これまで観光客や移住者、地元の人や外国人などいろんな人を乗せたという。
「ガイドというよりは対話を楽しんでいる。皆さんeggに乗ると解放的な気分になっていろんなことをしゃべる。たったの15分くらいだけれども人間ドラマがあってやめられなくなった」と話す。
試乗会に親子で参加した佐久市の日髙洋介さん(34)は「意外と運転は難しかった」。
3年前に東京から移住したといい「小諸には週1回は遊びに来ている。子どもを連れて、まちタネ広場のイベントや体験に参加したり、図書館によく行く。飲み歩きも好きで、古い建物を改装したおしゃれな店も最近できている。いつもまちなかで何か楽しいことが起きているから来たくなる」と話した。