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上田市が「命の学級」継続に向け調整!<上田市議会12月定例会・一般質問>2023

テーマ:上田市ニュース

 12月上田市議会定例会の一般質問が4日行われ、8議員が質問した。

 ◆飯島裕貴議員は、予算編成に関連して、積み立てている基金の活用について質問。
 ◇鎌原英司財政部長は「令和4年度末の基金合計額は273億5000万円余、前年度比較で7億7000万円余の増加。一般的に標準財政規模の10%程度を確保することが望ましいとされ、目安を満たしている。令和6年度予算編成では基金の活用という項目を設け、各所管課に対して積極的かつ計画的な活用、設置目的が類似している基金の統合など有効活用の推進を求めている。これまで取り崩しが行われてこなかった基金を含めて、有効に活用できるよう取り組みを進める」と答弁した。

◇  ◇

 ◆堀内仁志議員は、市の職場環境づくりは市民サービスの向上にもつながるとして、目標や達成度などについて質問。
 ◇倉島弘一総務部長は「達成感については道半ば。今年度の人事評価制度の見直しにおいて、マネジメントに携わる係長以上の職員に対して研修を行い、目指すべき職場、職員像を説明した。若手職員、中堅職員の仕事へのやりがいや、意識向上が課題。昨年度からキャリア面談を実施し、職員一人ひとりが描くキャリアデザインを尊重し、組織的に支援しながら個々の成長を促し、市政の活性化につなげたい。職員の体調・精神面の健康をどのように守るかは、安全衛生委員会で職員の健康分析や時間外勤務の状況について意見交換し、職場巡視を行っている。今年度は重点目標に、健康診断の受診率向上やメンタル不調者等への支援の充実を掲げている」。

◇  ◇

 ◆武田紗知議員は、自主財源確保の観点から、ふるさと納税について上田市への寄付額が減少しており努力が必要だとし、日本一になっている都城市の差別化を事例に、上田市が日本一といえる特産品による差別化やリピーターについて質問。
 ◇石井正俊・市民まちづくり推進部長は「上田市で人気の返礼品は、信州みそ、リンゴ、シャインマスカット、おやき、ワイン、宿泊補助券、音響機器、毛皮製品など多種多様。市内で栽培された大豆のみそはリピート率も高く、ふるさと納税ポータルサイト内のランキングで、みその部門の全国1位を獲得する主力の返礼品になっている。調査分析を進め対策を講じている。リピーターは令和3年度寄付者のうち、4年度に再び寄付をいただいた方は3700人ほどの2割弱。リピーターの創出については県内外の先進地視察を実施し、研究を重ねている。寄付金の活用内容についてのていねいな情報発信も重要。より寄付者に届く情報発信の充実を図る」。

◇  ◇
 
 ◆斉藤達也議員は、塩川の陣場地区に建設を計画する有機物リサイクル施設について質問。
 ◇田中義明環境部長は「生ごみ分別収集の対象範囲は現時点の案では中心市街地や人口が集中している63自治会と建設予定地周辺9自治会の計72自治会で約5万7000人。令和3年度の市のリサイクル率は25・7%、ごみ処理の1人当たり経費は約1万1100円で全国平均1万6800円の約66%。施設規模の精査や経済性を評価し、過大な施設規模により財政負担が大きなものとならないよう取り組んでいく」。

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 ◆矢島昭徳議員は、農作物への鳥獣被害の状況について質問。
 ◇北沢健治産業振興部長は「平成30年度以降2500万円から3000万円台で推移していたが令和4年度は4840万円余と大幅に増加した。ニホンジカがこれまであまり見られなかった千曲川右岸の豊殿、真田地域まで生息域を広げており、リンゴを中心とする果樹の花芽等への食害が増大している。被害が最も大きかったのは、令和4年度はリンゴなどの果樹で3820万円余、次いで水稲400万円余、野菜350万円余となっている」。

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 ◆中村知義議員は、小中学校の性教育について質問し、今年度末で閉院する市立産婦人科病院の助産師による「命の学級」の存続を求めた。
 ◇峯村秀則教育長は「今年度は全ての中学校で命の学級を実施した。次年度以降も引き続き助産師による性教育の取り組みが継続できるよう関係部局と調整していきたい」。

★国基準の災害情報伝達手段整備へ

 ◆宮下省二議員は、災害情報の伝達手段で、国は屋外スピーカーや屋内受信機による同報系システムの中で住民に伝える仕組みのない自治体が県内で上田市のみが未整備としたことについて質問。
 ◇倉島総務部長は、市の災害情報伝達手段としてメール配信、SNSの活用、防災ポータルサイト、ケーブルテレビ、コミュニティエフエム放送などの多様な手段があると説明した上で「上田市が多重化として整備している手段では、市から直接放送するための屋外スピーカーや屋内受信機が整備されていないことが、未整備自治体に該当するとされている。有線放送やエリアトークなど屋内で情報が取得できる手段であっても、既存の通信回線では震災時に断線など課題で国が示す要件に該当しないとされている。災害情報伝達手段の早期構築に向け、令和6年度実施計画において庁内調整を行い、消防庁や県危機管理部と協議を進めており、令和7年度までの整備に向けて調整を進めている」と答弁し、設備費用を抑えるためにケーブルテレビの活用の検討などについても触れた。

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 ◆池上喜美子議員は、重症心身障がい児・者や、医療的ケア児・者を受け入れる対応施設の十分な確保などについて質問。
 ◇北島大志福祉部長は「医療技術の向上を背景に、医療的ケアが必要な人を含む重症心身障がい児・者は増加傾向にあり、8月末現在で把握している市内で在宅生活している重症心身障がい児・者は75人。うち医療的ケアが必要な18歳未満は32人。18歳以上が8人。重症心身障がい児・者の土日祝日の受け入れは、多くの施設が平日受け入れで、日曜日と祝日を受け入れる施設は現在ない。短期入所できる施設もない。上小圏域で重症心身障がい児・者を受け入れる施設が不足している。圏域全体で令和4年度から当事者とその家族の支援を目的とした事業を開始し、看護職員等の配置、人材育成研修など委託事業で、受け入れ拡大を進め、新たな施設が1カ所開設。上田市つむぎの家が旧高齢者施設への移転が具体化し、床面積が2倍になり、ゆとりのある環境でケアできる。ニーズを把握して適正な施設整備に取り組む」。