ニュースの力で地域を良くする新聞社
東信ジャーナル

新聞購読のお申込みお問い合わせ

◇おことわり/催し等は新型コロナウイルス感染症対策のため中止または延期の場合がございますので主催者等にご確認ください。

長野県立大学の二本松泰子教授が発刊した著書を花岡利夫東御市長と東御市教委に寄贈!「真田家の鷹狩り 鷹術の宗家、祢津家の血脈」 ★17日の東御市民大学講座歴史講演会で著書のタイトルで講演。

テーマ:とうみニュース

【発刊した著書と二本松教授】

 長野県立大学グローバルマネジメント学部の二本松泰子教授はこのほど、今年発刊した著書「真田家の鷹狩り 鷹術の宗家、祢津家の血脈」を花岡利夫東御市長と東御市教委に寄贈した。
 17日の「東御市民大学講座歴史講演会」で、同書と同じタイトルの講演を予定している。

 祢津家は小県地域出身の豪族。
 武家流放鷹術文化の主流を担う鷹術の家元として存在を誇った。
 真田氏ともゆかりが深く、真田家に仕えて松代藩士となった一族が嫡流を名乗り、幕末まで継続して独自の足跡を残している。
 松代藩士を務めた祢津家のうち、鷹術に関わったのは祢津幸直の子孫にあたる「一族(家祖・祢津信忠)」と、その分家。
 幸直は、松代藩初代藩主真田信之の乳兄弟で、信之の藩政を鷹狩りの知識を活用して支えたという。

 同書出版のきっかけは2019年、長野市松代の故・祢津泰夫さんが信忠系祢津家伝来の古文書を所蔵していることを二本松教授に知らせたこと。
 二本松教授は、祢津さんの許可を受けこれらすべてを観覧、撮影。
 祢津家の鷹狩りの全容を解明する研究が一気に進展したという。
そしてこのほど、中世・近世の祢津家や真田家の鷹狩りや、文化的側面にせまる同書が完成した。

 同書は2編5章と付録などで構成。

 第1編「祢津家の血脈が描く真田家の鷹狩り」では、真田家家臣の祢津家に伝来した新出の鷹術文書と系譜・家伝書類を取り上げている。

 第2編「徳川家の鷹狩りと真田家の鷹狩り」では、同じ祢津一族でありながら真田家ではなく徳川家康に仕えた祢津松鷂軒所縁の鷹術伝承を取り上げた。

 この2編で真田家家臣の祢津家の「鷹術伝承」が、象った文化基盤の実像を明らかにするとともに、祢津家に支えられた真田の鷹狩が文化的官為としての側面があることについても言及している。

 付録では「絵で知る鷹狩り」として、中世以降の鷹狩りの作法などを記録した「鷹書のカラー版図説」を書き下ろしている。

◇  ◇

 17日の講演会は、午後1時半開演。
 会場は東御市中央公民講義室。
 主催は東御市市民大学運営委員会、東御市公民館。要申し込み。
 
 二本松教授は大阪出身。
 立命館大学卒後、同大学院文学研究科博士課程後期課程日本文学専攻学位取得修了。
 同大文学部非常勤講師、長野県短期大学や長野県立大学准教授などを経て現職。

 鷹狩りの研究は、立命館大非常勤講師時代から約15年にわたり継続。
 鷹狩り関連著書に「中世鷹書の文化伝承」「鷹書と鷹術流派の系譜」などがある。

 東御市では、平成23年と同30年に祢津氏や鷹狩りに関する講演会の講師を務めた。
 また、県立大のゼミ活動では、木曽義仲や巴御前を軸とした丸子地域活性化研究などにも取り組んでいる。
 関連して、東御や丸子で開催された鷹狩り実演イベントにも携わった。

 申し込み・問い合わせ(電話)0268・64・5885(東御市中央公民館)