上田市の富松裕子さん(82)が自分史「ミモザの花に春を待つ」を出版! ★3月8日の「国際女性デー」にあわせて。
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上田市古里の富松裕子さん(82)は、3月8日の「国際女性デー」にあわせて自分史「ミモザの花に春を待つ」を出版した。
「ジェンダー平等に関わって60年 わたくしの人生に彩を与えて下さった方々」を副題とし、県立高校の家庭科教師として全国に先駆けて実践した家庭科の男女共修の取り組みなどについてまとめた。
富松さんは「これまでいかに多くの人に支えられてきたかを思い知らされ、感謝の気持ちでいっぱいです」と話す。
信州大学教育学部を卒業し、高校家庭科の教師になった。
明治から続く男は外で働き、女は家庭を守るといった男女の役割分担の考えのもと女子教育の延長線上で行われていた家庭科に疑問を抱き、男女共修の実現に向けて仲間とともに奔走。
1973年度に全国で初めて富松さんが勤務していた犀峡高校を含む県内5校で、共修が始まった。
1972年には女子向けの教科書にはない視点を補充する資料集「資料家庭一般」を仲間とともにまとめた。その後32年間毎年改訂を重ねた。
「当時は教育界の高揚期で、若さに任せて突っ走った。でも他教科の先生方の協力や先輩方の応援がなかったら活動の継続は難しかったと思う」と振り返る。
退職後は市の男女共同参画推進の市民運動に積極的に参加し、夫とともに社交ダンスを楽しむ。
富松さんは「自分史をまとめ、大量の資料や写真を処分できてほっとしている」と話す一方、今年度の日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位だと憂う。
最近になって偶然、女性差別撤廃条約について学ぶ若い世代の活動に接したといい「わたしもぼんやりしてはいられない。体力が許す限り応援していきたい」と心を新たにする。