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上田城櫓の復元的整備へ機運醸成!<上田市議会12月定例会・一般質問>2022

テーマ:上田市ニュース

【上田場西櫓】

 12月上田市議会定例会は7日、一般質問の3日目で9議員が質問した。

 ◆齊藤加代美議員は「新型コロナ対策」の医療ひっ迫軽減のため、重症化リスクのない人が自宅療養するために他の県で行っている抗原定性検査キットの購入に助成を行っている現状から、必要とする人への配布や購入補助などを求めて質問した。
 ◇室賀久佳・健康こども未来部長は「軽症かつ65歳未満で重症化リスクの低い方で、可能な方は検査キットで自己検査をお願いしている。検査キットは適切な方法で検査しなければ正しい結果が得られないことから、薬剤師等から説明を受けた上で使用することが必要。広く市民に配布する予定はないが、購入補助を行っている他自治体の事例を参考に、今後の状況を踏まえて検討する」と答弁した。

◇  ◇

 ◆半田大介議員は、上田市人権施策基本方針が平成25年に改定されたが、以降見直しが行われておらず、社会が大きく変化している中で見直すべきと質問。
 ◇石井正俊・市民まちづくり推進部長は「新たな人権課題が顕在化し、対応が必要になっている。今年度、教育委員会と連携し、市民2000人を対象に人権に関する意識調査を実施、新たな人権課題についても調査項目に含めている。今年度末までに調査結果をまとめ、分析を行った上で、来年度を視野に、その内容を反映した基本方針に改定すべく取り組む」。

◇  ◇

 ◆原栄一議員は、上田城跡整備に関係し櫓復元の早期実現の見通しで質問。
 ◇小野沢和也・教育次長は「これまでの取り組みで、本丸の7つの櫓全ての外観が判明する古写真が見つかっていない。令和2年4月に示された復元的整備で、写真が見つからない場合は、その他の資料を用いた再現も認められる可能性も出た。そこで江戸時代から残る西櫓を根拠資料として、7つの櫓が同じ規模、構造だった可能性を多角的に検証する作業を進めている。文化庁からは櫓だけでなく、城郭の構え全体の保存管理の方針を明確化することや、城跡や城下町を含めた整備に対する、市民一丸となった機運の醸成も求められている。今後は、作成中の保存活用計画で、保存管理の方法を明確に示しながら、広く上田城に関心を持っていただけるさまざまな取り組みを通して、櫓の復元的整備に向けた機運の醸成を、より一層図りたい」。

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 ◆宮下省二議員は、長野大学の設置者として大学内で起きた問題の原因についてどう分析し対応しているのかただした。
 ◇大矢義博・政策企画部長は「労働基準監督署からの是正勧告や懲戒処分など教職員における問題がある。問題の原因は個別の事案ごとに異なるが、1つの要因として私学時代の慣習などで公立大学の教職員としての自覚が不足していることに起因するものと考えられる。問題が発生した際は大学で全教職員対象に会議を開催し問題を共有するとともに、定期的にコンプライアンス研修やハラスメント研修を行ってきていると報告を受けている。大学に対して綱紀粛正や再発防止の徹底など更なる対応を求めていく」。

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 ◆久保田由夫議員は、丸子地域の国道254号沿いに計画する道の駅構想について質問。
 ◇土屋陽一市長は「建設候補地は中京圏から松本市を経由して訪れる観光客にとっては上田市への西側の玄関口となる。上田城跡公園や塩田平など市内各所の観光情報を発信する新たな観光拠点となり、効果的な周遊観光につながるよう取り組みたい。市が進めるワイン振興事業にも関連させてワインに関する独自の情報提供を行うなどほかにない個性が光る道の駅となるよう検討していく」。

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 ◆井澤毅議員は、空き家バンクの登録件数が増えない理由をどう考えているかと質問。
 ◇石井・市民まちづくり推進部長は「空き家所有者に行ったアンケートで利活用の意向ありと回答のあった(状態のいい)Aランクの空き家所有者387件に対して令和元年度に改めて意向確認をし、年間100件を超える現地調査とともに空き家バンク登録に向けた働きかけを行っている。登録には片付けは不要で、期間を定めて賃貸に出すこともできるなど、空き家バンク制度の周知浸透と正確な内容理解への情報提供をするため、昨年度から説明会を市内各地で開催。インターネットを活用しYouTubeでの生中継やアーカイブ配信などの試みも実施している」。

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 尾島勝議員は、市が管理するバス専用の上田城跡南駐車場について質問。
 吉澤猛副市長は「観光施策の一環として平成28年の大河ドラマ放送を契機に整備した。放送期間中は年間1万6000台だったが、平成29年度は2300台、平成30年度と令和元年度は1500台。令和2年度以降は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で団体旅行の需要が落ち込み稼働率はほぼ0に近い状態。しかし昨今はウイズコロナ社会を迎え団体旅行の需要も改善の兆しが見え、インバウンドも再開されるなど今後、バスの利用台数が一定程度回復すると見込む。さらに来年度以降は上田城跡整備計画が本格着手し観光地としての価値が高まるため、バス専用駐車場を維持していく必要性はあるととらえている」。 
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 ◆石井史郎議員は「新型コロナ政策」、ワクチン接種による副反応などについて質問。
 ◇室賀・健康こども未来部長は「副反応等について医療機関から報告されたものについて把握し、国による予防接種健康被害救済制度に基づき審査会に進達するため受理したもの、受理予定のものとして把握。副反応数はこれまで計16件、健康被害審査会申請件数はすでに国に進達済みのものと、受理しているもとのと合わせて計5件」。

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 ◆林和明・議員は、日本のシリコンバレーと呼ばれるような上田市になるよう、デジタルトランスフォーメーション・DX戦略について質問。
 ◇土屋市長は「市民や企業・団体が快適に生活・活動でき、誰一人取り残さない利用者ファーストに立ったデジタル先進地を目指すことを掲げている。市役所業務のスマート化や、快適・安全・安心な市民の暮らし、まちの魅力を高めるデジタル化―の3つの基本戦略がある。ハード、ソフトのデジタル基盤整備、デジタル人材の育成・確保が不可欠。とりわけ、デジタル人材の確保は行政、民間問わず急務になっている。今年度、信州大学がDX技術を活用した行政サービスの改革や地域課題の解決のため、DXによる新サービスの社会実装を目指す自治体と、大学の研究者、企業をつなげるコンソーシアム(共同事業体)を設立し、上田市も加盟している。この組織では、人材育成を大きな柱としており、スマートシティー化推進計画の実現に向け、必要な人材の育成に取り組む」。